第9回目は裁判のお話です。
テレビドラマでは、裁判で真相が明らかになり真実や正義が勝利するようなイメージがありますが、現実には、裁判所は真実を明らかにする場ではありません。
裁判では、原告と被告がそれぞれ主張をして、裁判官が両者から提出された書類の証拠や出頭した証人に基づき、どちらの主張を認めるかを決定するだけです。そもそも裁判官には超能力はありませんから、原告と被告どちらが本当のことを言っているか判断できません。
ですから、嘘をつくのに長けた弁護士がいれば、その弁護士の主張が通る可能性もあります。「真実はひとつ」でも、正義が勝つとは限らないのです。
私は今年2月に乗用車を運転中、町委託の除雪業者の除雪車に衝突されました。
この除雪車はあろうことか、深夜の時間帯に反対車線を逆走しながら、相当なスピードで道路右側の雪壁を吹き飛ばしながら走ってきました。私は当然、自分の走行車線を走っていましたが、お互い見通しが悪く反対車線を逆走してきた除雪車に気付かず衝突しました。正面衝突は避けられましたが、普通乗用車の十倍以上の除雪車に衝突された私の車は即時廃車となりました。
除雪車の運転手はその後、弁護士を通じて、私の車が反対車線にはみ出したので私に100%の非があると主張をしました。当時の事故現場の写真を見ても、除雪車側の車線に雪は皆無でアスファルトが露出しており、対照的に私の車線が積雪で覆われていたこと、私の車線に除雪車のタイヤ痕があること、私の車線の左側に除雪の跡があるなど、除雪車側が反対車線を逆走してきたことは明らかなのですが、それでも嘘をつき通そうとしています。
弁護士法第1条には、「弁護士は…社会正義を実現することを使命とする。」とあります。裁判はまだ始まったばかりですが、この弁護士の言動を見ていて、彼が実現を目指すのはカネのためであれば明らかに矛盾した嘘をついてでも勝訴を得るという自己満足のように感じます。
法律は弱者救済のためにあるものですし、困ったときに頼りになるのが弁護士ではありますが、一方で、正義や真実に対する最大の脅威はいまの司法制度や一部の弁護士にあるのかもしれません。
お客様からご相談を受ける際に話を聴きながら、相手方の不正や理不尽な言動に私も心が痛むのですが、法律ですべて解決できるわけではないことをお伝えするのは、法律隣接職としてやりきれない思いですが、相談者にできるだけ寄り添うよう努めています。
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2016