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第4回 離婚をする前に決めておくべきこと 2014年10月号掲載

 第4回目は離婚についての手続きと法律知識です。
 現在、我が国では3組に1組が離婚しているといわれます。
 法律上、離婚をするには離婚届に戸籍謄本を添付して市区町村役場に提出するだけですので簡単なことのように思えますが、離婚前に必ず決めておきたいことがいくつかあります。

 そのなかには、財産分与や養育費、面接交渉権、年金分割、慰謝料などがありますが、なぜ離婚前に決めるべきかと申しますと、法律上は離婚後に決めることもできるのですが、いったん離婚してしまうと双方が話し合いの場を設けることが困難になるからです。相手に「離婚したのだから一切関わりたくない」と言われたら裁判せざるを得なくなりますし、そもそも相手の居場所を探すのも困難になることもあるでしょう。そうならないためにも、相手の現住所や勤務先、財産状況が分かる離婚前にこれらを決めておく必要があります。

 財産分与とは婚姻期間中に夫婦が作り出した共有財産を離婚時に清算することです。離婚原因による損害賠償請求は慰謝料名目で請求しますから、財産分与は自分に離婚原因があったとしても相手に請求できます。共有財産には預貯金や不動産、自動車などのほか、将来支給される退職金も対象となることがあります。通常これらは夫婦のどちらの名義になっているかに関わりなく、夫婦の共有財産と推定されますから、専業主婦であっても夫名義の財産の半分を請求できることが多いです。もっとも、結婚前から所有していた財産や自分の努力のみで形成した財産は含まれません。

 養育費とは子供が自立するまで親が支払うべき費用のことで子供の学費や生活費が含まれます。離婚に伴って子供を引き取った場合は相手に対して毎月の養育費を請求できます。養育費は夫婦の収入や子供の教育方針によって家庭ごとに大きく異なります。また、高校卒業時、成人時、大学卒業時、就職時までなど期間も決めます。大学に行かずに専門学校に行ったり、留年、留学した場合など細かな部分も決めておくこともできます。

 面接交渉権とは離婚した父または母が手放した子供と会える権利のことで、子供と会う頻度や方法について決めます。もちろん、子供に暴力や虐待をする相手に対しては権利が認められないこともあります。

 これらについて話し合いで合意した場合は、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成することにより、相手の支払いが滞ったときに強制執行できます。

 いずれにしても、応じない相手に裁判をするのは大変ですし、居場所が分からない相手に裁判をしても実質的に意味がないので、お互い次の良いスタートに進むためにも離婚前に話し合っておくことにしましょう。
奄美大島の豆腐料理店・島とうふ屋 | Home | 第3回 会社をつくろう! 2014年8月号掲載

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