長野県の木曽路・中山道の宿場町、奈良井宿、妻籠宿、馬籠宿です。
江戸の日本橋から京都まで約530kmの中山道は、東海道より距離は長いものの川や海を越える必要がないため、女性をはじめ多くの旅人が中山道を選んだといわれています。

奈良井宿は、長さ約1kmに及ぶ現存する日本最長の宿場町で、江戸時代からの問屋や旅籠などが良い状態で保存されており、文化庁の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
往時は「奈良井千軒」と呼ばれるほど賑わったようで、現在も街道の両側に古の建物が延々と迫る姿は圧巻と言えます。
宿泊した旅館も往時は炭問屋だったようですが、推定築280年とされ、奈良井宿特有の吹き抜け式の間取りが見られます。

奈良井宿近辺では長野県特産のそばや五平餅を提供するお店のほか、特産の木曽ヒノキを使用した漆器や曲物を売るお店が多くあります。
昼間は観光客がひしめく通りも、夕刻や夜明け前は静まり返ります。
奈良井宿の夜景として、上の2枚の写真は同じ場所から撮影したものですが、広角レンズ(写真上)と望遠レンズ(写真下)の特性の違いにより雰囲気も違って見えます。望遠レンズで捉えたほうが圧縮感がありますね。

妻籠宿は、日本で最初に重要伝統的建造物群保存地区に指定された地区で、地域住民が早くから「売らない・貸さない・壊さない」という3原則のもと、街並み保存活動を展開してきました。
そのため、街道筋の建物群も非常に良い状態で保存されています。
日本でもっとも人気のある歴史的な街並みといえるでしょう。

馬籠宿は、急峻な山の斜面にある宿場町で、実際に訪れるとよくこんな山奥に街が開けたものだと驚くものです。
宿場内の建物のほとんどは大火で焼失しましたが、往時の街道らしく復元されています。
石畳のある坂の宿場町というところも馬籠宿の特徴であり、変化に富んだ街の風景は規模は小さいながらも楽しむことができるでしょう。