第7回目は外国人労働者や外国人研修生を日本に呼び寄せる際の入国審査手続きについてご紹介します。
このところの円安やアジア各国の経済成長も追い風となり、外国人観光客が全国の観光を牽引しているといっても過言ではありませんし、宿泊業や飲食業など観光産業は、もはや外国人客に対応できなければ存続自体も危ぶまれるかもしれません。
一方で日本人としても、外国の文化や習慣に触れる機会は増えています。旭川市内でも中華料理店やカレー屋さんなどで外国人が調理した料理を楽しむことができる飲食店は増えています。また、農業や漁業では外国人研修生の姿を見ることも多くなっていますし、医療や介護の分野でも外国人労働者の需要はますます高まっています。
日本へ入国を希望する外国人は、短期滞在の場合を除き在留資格を取得し入国、滞在しなければなりません。外国人が海外の日本大使館や領事館に査証を申請すると審査が長期間に及ぶことがあります。そこで、通常は日本にある入国管理局に対して在留資格認定証明書の発行を申請し、その外国人の日本での活動内容が査証の条件に適合することを先に証明してもらいます。 在留資格認定証明書により査証の発行がスムーズになされ、取得した在留資格認定証明書と査証を旅券に添えて入国し、在留カードの発行をもって、日本に中長期間滞在することができます。
日本での在留資格の活動分野には23種類があり、調理師や通訳、デザイナー、医療関係者、俳優やスポーツ選手などの職業のほか、留学や研修などの活動も含まれています。また、調理師は外国料理の調理師であって、例えばタイに居住する日本料理や中華料理のタイ人調理師を日本に招聘することはできません。在留許可期間は活動内容により異なりますが、多くは1年または3年、5年でその都度資格を更新しなければなりません。
これらの在留資格等の申請は、日本の許認可申請のように書類が揃い要件を満たしていれば許認可されるという一定の基準ではなく、個別に審査されます。度重なる薬物犯罪逮捕歴があれば通常は永久に上陸拒否されますが、世界的に有名なスターなどの場合は特別許可されることもあり、国にかなりの裁量が認められています。また、不許可になった場合でも通常の許認可のように不服申し立ての制度はなく、国を相手に取消訴訟をするしかありません。
このように入国管理手続は一律ではなく複雑ですので、特別な経験や技術が求められます。前記のように一度不許可になってしまうと再び許可を得ることは難しくなりますので、当職ら入国審査に詳しい専門家に相談なさることをお勧めします。
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第6回目は高齢者の財産を狙う人たちについてのお話しです。
今年の全国の特殊詐欺被害額は500億円を超えました。
子供の人数が少ない、または疎遠な家庭においては、夫婦のみ、または一人暮らしという高齢者は、よほど社交性がない限り家にこもりがちです。そういう暮らしの中で、数年ぶりに子供や孫から電話がかかってくれば誰しも嬉しいことでしょう。まして自分を頼ってくれたとなるとすぐに助けてあげたいとの心理が働きます。加えて、「裁判」「弁護士」「警察」などの語句は聞きなれないので、パニックになってしまい本人に確認を取ることもなく送金してしまいます。
まずはいったん電話を切り、事前に知っている本人の電話番号にかけ直してみましょう。本人の電話が繋がらない場合で、電話の相手が弁護士や警察を名乗っているのであれば氏名と代表電話を書きとめ、かけ直してみます。弁護士の事務所や警察署の代表電話が携帯電話なんていうことはあり得ませんし、固定電話の番号を教えないというのは明らかに詐欺です。
ただ、このような明白な詐欺以外にも、高齢者の財産を狙う人はたくさんいるのです。
高齢者は、困っている自分に突然「親切に」接してくれる見知らぬ他人に恩を感じやすく、法外な値段の商品やサービスを売りつけられたり、高額な財産を僅少な金額で買い取る押し買いの被害に遭いやすくなります。
このような被害を防ぐための成年後見制度は12月号でご紹介しましたが、実はこの後見制度を利用して財産を横領するという事件が急増しています。
任意後見人または成年後見候補者には自分のことをよく知っていて信頼している親族を選任することが多いですが、残念ながらその親族に財産を横領されるケースが多々あります。親族だから多少の使い込みは許されるとの心理が働くのでしょう。
また私の扱った案件では、近所の住職が突然親切に訪問を繰り返してくれ、訳も分からないまま後見契約を結び印鑑や印鑑登録カードを持ち去られてしまったり、理由のない大金を支払ってしまったということがありました。後見契約を解除後も執拗に再契約を迫るなど、後見制度を利用して財産を狙っていることは明らかです。
後見人には多少の法律や会計知識が必要です。親族または知人を安易に選任すれば後見人としての職務が大きな負担にもなることもあります。
親族や法律の専門家、住職といった人たちに財産を狙われてしまうのは悲しいご時世ですが、それも現実なので疑心暗鬼になる必要はないものの、親しさの度合いや肩書ではなく、あらかじめ「餅は餅屋」つまり財産管理の専門家に相談したほうが安心です。
今年の全国の特殊詐欺被害額は500億円を超えました。
子供の人数が少ない、または疎遠な家庭においては、夫婦のみ、または一人暮らしという高齢者は、よほど社交性がない限り家にこもりがちです。そういう暮らしの中で、数年ぶりに子供や孫から電話がかかってくれば誰しも嬉しいことでしょう。まして自分を頼ってくれたとなるとすぐに助けてあげたいとの心理が働きます。加えて、「裁判」「弁護士」「警察」などの語句は聞きなれないので、パニックになってしまい本人に確認を取ることもなく送金してしまいます。
まずはいったん電話を切り、事前に知っている本人の電話番号にかけ直してみましょう。本人の電話が繋がらない場合で、電話の相手が弁護士や警察を名乗っているのであれば氏名と代表電話を書きとめ、かけ直してみます。弁護士の事務所や警察署の代表電話が携帯電話なんていうことはあり得ませんし、固定電話の番号を教えないというのは明らかに詐欺です。
ただ、このような明白な詐欺以外にも、高齢者の財産を狙う人はたくさんいるのです。
高齢者は、困っている自分に突然「親切に」接してくれる見知らぬ他人に恩を感じやすく、法外な値段の商品やサービスを売りつけられたり、高額な財産を僅少な金額で買い取る押し買いの被害に遭いやすくなります。
このような被害を防ぐための成年後見制度は12月号でご紹介しましたが、実はこの後見制度を利用して財産を横領するという事件が急増しています。
任意後見人または成年後見候補者には自分のことをよく知っていて信頼している親族を選任することが多いですが、残念ながらその親族に財産を横領されるケースが多々あります。親族だから多少の使い込みは許されるとの心理が働くのでしょう。
また私の扱った案件では、近所の住職が突然親切に訪問を繰り返してくれ、訳も分からないまま後見契約を結び印鑑や印鑑登録カードを持ち去られてしまったり、理由のない大金を支払ってしまったということがありました。後見契約を解除後も執拗に再契約を迫るなど、後見制度を利用して財産を狙っていることは明らかです。
後見人には多少の法律や会計知識が必要です。親族または知人を安易に選任すれば後見人としての職務が大きな負担にもなることもあります。
親族や法律の専門家、住職といった人たちに財産を狙われてしまうのは悲しいご時世ですが、それも現実なので疑心暗鬼になる必要はないものの、親しさの度合いや肩書ではなく、あらかじめ「餅は餅屋」つまり財産管理の専門家に相談したほうが安心です。
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第5回目は、成年後見制度についてご紹介いたします。
私たちは誰しもが「ピンピン・コロリ」つまり寝たきりにもならず介護も必要とせず頭もはっきりした状態で最期を迎えたいと願いますが、現実には高齢者の4人に1人が認知症(痴呆症)またはその予備軍となり、認知症にならなくても多くの方が老後に介護を必要とします。
認知症になると預貯金の管理や不動産の売買、施設の入居契約などの法律行為や、相続などの法律手続を行うことができなくなるほか、詐欺や悪質商法に騙される可能性もあります。
そのように判断能力が衰えた方を保護するための制度が成年後見制度です。
成年後見制度では判断能力が不十分な本人つまり「被後見人」について、「後見人」と呼ばれる人が本人に代わって法律行為を行います。
代理契約と大きく異なるところは、本人の財産維持に利益となるのであれば本人の許可や理解を得ることなく法律行為が行うことができ、本人が不利益を自覚していなくても法律行為を取り消す、または無効を主張することができます。
成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があります。
法定後見制度は、認知症などすでに判断能力が不十分な方に対し家庭裁判所が選任した後見人が本人の代わりに法律行為を行うものです。本人の四親等内の親族が家庭裁判所に申立てを行い、家庭裁判所は親族や法律隣接職などの専門家を後見人として選任します。選任された後見人は本人の財産を管理し、裁判所から定期的に帳簿等の提出を求められることがあります。
任意後見制度は、現在判断能力がある方が、将来判断能力が衰えたときのためにあらかじめ後見人を選任しておくものです。 任意後見契約は公正証書で契約しますが、契約時にはまだ後見制度はスタートせず、実際に判断能力が不十分となったときに家庭裁判所に申立てを行い、それから後見人としての仕事がスタートします。
任意後見制度は家庭裁判所が後見人を選任する法定後見制度と異なり、自分が信頼できる人を後見人として選任できるメリットがありますが、資格や能力、知識もない人に一方的に勧められて後見契約を結び、財産を横領されるケースも散見されますので、単に「旧知の仲である」「お世話になっている」というだけで安易に契約を結ばないように気を付けましょう。
成年後見制度に興味を持ち積極的に利用するケースはまだ少ないですが、相続手続きなどで銀行等から求められ利用せざるを得ないケースは非常に多くあります。
長寿の時代ですから、まずは自分が安心して老後を迎えることができるように生きているうちの人生設計についても元気なうちに考えてみましょう。
私たちは誰しもが「ピンピン・コロリ」つまり寝たきりにもならず介護も必要とせず頭もはっきりした状態で最期を迎えたいと願いますが、現実には高齢者の4人に1人が認知症(痴呆症)またはその予備軍となり、認知症にならなくても多くの方が老後に介護を必要とします。
認知症になると預貯金の管理や不動産の売買、施設の入居契約などの法律行為や、相続などの法律手続を行うことができなくなるほか、詐欺や悪質商法に騙される可能性もあります。
そのように判断能力が衰えた方を保護するための制度が成年後見制度です。
成年後見制度では判断能力が不十分な本人つまり「被後見人」について、「後見人」と呼ばれる人が本人に代わって法律行為を行います。
代理契約と大きく異なるところは、本人の財産維持に利益となるのであれば本人の許可や理解を得ることなく法律行為が行うことができ、本人が不利益を自覚していなくても法律行為を取り消す、または無効を主張することができます。
成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があります。
法定後見制度は、認知症などすでに判断能力が不十分な方に対し家庭裁判所が選任した後見人が本人の代わりに法律行為を行うものです。本人の四親等内の親族が家庭裁判所に申立てを行い、家庭裁判所は親族や法律隣接職などの専門家を後見人として選任します。選任された後見人は本人の財産を管理し、裁判所から定期的に帳簿等の提出を求められることがあります。
任意後見制度は、現在判断能力がある方が、将来判断能力が衰えたときのためにあらかじめ後見人を選任しておくものです。 任意後見契約は公正証書で契約しますが、契約時にはまだ後見制度はスタートせず、実際に判断能力が不十分となったときに家庭裁判所に申立てを行い、それから後見人としての仕事がスタートします。
任意後見制度は家庭裁判所が後見人を選任する法定後見制度と異なり、自分が信頼できる人を後見人として選任できるメリットがありますが、資格や能力、知識もない人に一方的に勧められて後見契約を結び、財産を横領されるケースも散見されますので、単に「旧知の仲である」「お世話になっている」というだけで安易に契約を結ばないように気を付けましょう。
成年後見制度に興味を持ち積極的に利用するケースはまだ少ないですが、相続手続きなどで銀行等から求められ利用せざるを得ないケースは非常に多くあります。
長寿の時代ですから、まずは自分が安心して老後を迎えることができるように生きているうちの人生設計についても元気なうちに考えてみましょう。
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第4回目は離婚についての手続きと法律知識です。
現在、我が国では3組に1組が離婚しているといわれます。
法律上、離婚をするには離婚届に戸籍謄本を添付して市区町村役場に提出するだけですので簡単なことのように思えますが、離婚前に必ず決めておきたいことがいくつかあります。
そのなかには、財産分与や養育費、面接交渉権、年金分割、慰謝料などがありますが、なぜ離婚前に決めるべきかと申しますと、法律上は離婚後に決めることもできるのですが、いったん離婚してしまうと双方が話し合いの場を設けることが困難になるからです。相手に「離婚したのだから一切関わりたくない」と言われたら裁判せざるを得なくなりますし、そもそも相手の居場所を探すのも困難になることもあるでしょう。そうならないためにも、相手の現住所や勤務先、財産状況が分かる離婚前にこれらを決めておく必要があります。
財産分与とは婚姻期間中に夫婦が作り出した共有財産を離婚時に清算することです。離婚原因による損害賠償請求は慰謝料名目で請求しますから、財産分与は自分に離婚原因があったとしても相手に請求できます。共有財産には預貯金や不動産、自動車などのほか、将来支給される退職金も対象となることがあります。通常これらは夫婦のどちらの名義になっているかに関わりなく、夫婦の共有財産と推定されますから、専業主婦であっても夫名義の財産の半分を請求できることが多いです。もっとも、結婚前から所有していた財産や自分の努力のみで形成した財産は含まれません。
養育費とは子供が自立するまで親が支払うべき費用のことで子供の学費や生活費が含まれます。離婚に伴って子供を引き取った場合は相手に対して毎月の養育費を請求できます。養育費は夫婦の収入や子供の教育方針によって家庭ごとに大きく異なります。また、高校卒業時、成人時、大学卒業時、就職時までなど期間も決めます。大学に行かずに専門学校に行ったり、留年、留学した場合など細かな部分も決めておくこともできます。
面接交渉権とは離婚した父または母が手放した子供と会える権利のことで、子供と会う頻度や方法について決めます。もちろん、子供に暴力や虐待をする相手に対しては権利が認められないこともあります。
これらについて話し合いで合意した場合は、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成することにより、相手の支払いが滞ったときに強制執行できます。
いずれにしても、応じない相手に裁判をするのは大変ですし、居場所が分からない相手に裁判をしても実質的に意味がないので、お互い次の良いスタートに進むためにも離婚前に話し合っておくことにしましょう。
現在、我が国では3組に1組が離婚しているといわれます。
法律上、離婚をするには離婚届に戸籍謄本を添付して市区町村役場に提出するだけですので簡単なことのように思えますが、離婚前に必ず決めておきたいことがいくつかあります。
そのなかには、財産分与や養育費、面接交渉権、年金分割、慰謝料などがありますが、なぜ離婚前に決めるべきかと申しますと、法律上は離婚後に決めることもできるのですが、いったん離婚してしまうと双方が話し合いの場を設けることが困難になるからです。相手に「離婚したのだから一切関わりたくない」と言われたら裁判せざるを得なくなりますし、そもそも相手の居場所を探すのも困難になることもあるでしょう。そうならないためにも、相手の現住所や勤務先、財産状況が分かる離婚前にこれらを決めておく必要があります。
財産分与とは婚姻期間中に夫婦が作り出した共有財産を離婚時に清算することです。離婚原因による損害賠償請求は慰謝料名目で請求しますから、財産分与は自分に離婚原因があったとしても相手に請求できます。共有財産には預貯金や不動産、自動車などのほか、将来支給される退職金も対象となることがあります。通常これらは夫婦のどちらの名義になっているかに関わりなく、夫婦の共有財産と推定されますから、専業主婦であっても夫名義の財産の半分を請求できることが多いです。もっとも、結婚前から所有していた財産や自分の努力のみで形成した財産は含まれません。
養育費とは子供が自立するまで親が支払うべき費用のことで子供の学費や生活費が含まれます。離婚に伴って子供を引き取った場合は相手に対して毎月の養育費を請求できます。養育費は夫婦の収入や子供の教育方針によって家庭ごとに大きく異なります。また、高校卒業時、成人時、大学卒業時、就職時までなど期間も決めます。大学に行かずに専門学校に行ったり、留年、留学した場合など細かな部分も決めておくこともできます。
面接交渉権とは離婚した父または母が手放した子供と会える権利のことで、子供と会う頻度や方法について決めます。もちろん、子供に暴力や虐待をする相手に対しては権利が認められないこともあります。
これらについて話し合いで合意した場合は、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成することにより、相手の支払いが滞ったときに強制執行できます。
いずれにしても、応じない相手に裁判をするのは大変ですし、居場所が分からない相手に裁判をしても実質的に意味がないので、お互い次の良いスタートに進むためにも離婚前に話し合っておくことにしましょう。
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2016
第3回目の今回は法人の設立手続についてご紹介します。
事業を展開するに当たっては、個人事業と法人とがあります。起業する際に個人事業ではじめるか、法人を設立するか悩むときには、それぞれのメリット、デメリットを把握してこれからはじめる事業がどちらにあうか判断するとよいでしょう。
個人事業は開業の手続や経理が簡単なほか、給与額や機関設計の決定も自由にできます。法人は設立費用や社会保険料がかかりますが、対外的な信用度が比較的高く、給与所得控除、長期の欠損金の繰越、退職金の損金算入ができるなどのメリットがあります。融資を受ける際には事業計画書等が決め手になりますが、資本金が確保されている法人の方が審査が通りやすいこともあります。
法人を設立する場合、一般的に営利を目的とするのであれば株式会社、ボランティアが主体であればNPO法人、人やモノの集まりが主体であれば社団法人や財団法人などがありますが、ここでは株式会社についてお話しします。
株式会社を設立する際には、商号、事業目的、本店所在地、資本金、事業年度、機関設計などを考え、定款を作成し公証人の認証を得ます。その後、資本金の払込みや現物出資を行い、法務局へ登記申請を行います。会社の設立後、健康保険や厚生年金、労働基準監督署や公共職業安定所、税務署への手続を行います。
これらの手続の情報は、市販の書籍やインターネットからも得ることができますが、事業の目的や内容は会社ごとに大きく異なりますので、一度でも専門家に相談した方がより適切な機関設計や経営戦略についてアドバイスを受けることができます。また専門家は、助成金や補助金、節税や企業法務、マーケティングなど正確かつ豊富な知識も有していますから、積極的に活用なさってください。
起業する際の何点か気を付けなければならないことがあります。助成金や補助金の多くは雇用や事業の継続を条件に数か月後に受給できるものですから、起業開始前に現金でもらえる助成金等は多くはありませんのである程度自己資金が必要です。
また、給与所得者のように毎月決まった給与を受け取れるわけではなく、労働時間と収入は必ずしも比例しません。さらに会社から自動的に退職金や休業補償を受けられるわけではないので給与所得者より将来設計はきちんと行わなければなりません。当職としては給与所得者の少なくとも1,5倍から2倍以上の収入を得て老後に備えるよう顧客にアドバイスしています。
会社の経営は難しいですが、人とのつながりなど人生の生きがいに結びつくことは多いですから、「第二の人生」まで待たずに好機があれば積極的に起業されることをお勧めします。
事業を展開するに当たっては、個人事業と法人とがあります。起業する際に個人事業ではじめるか、法人を設立するか悩むときには、それぞれのメリット、デメリットを把握してこれからはじめる事業がどちらにあうか判断するとよいでしょう。
個人事業は開業の手続や経理が簡単なほか、給与額や機関設計の決定も自由にできます。法人は設立費用や社会保険料がかかりますが、対外的な信用度が比較的高く、給与所得控除、長期の欠損金の繰越、退職金の損金算入ができるなどのメリットがあります。融資を受ける際には事業計画書等が決め手になりますが、資本金が確保されている法人の方が審査が通りやすいこともあります。
法人を設立する場合、一般的に営利を目的とするのであれば株式会社、ボランティアが主体であればNPO法人、人やモノの集まりが主体であれば社団法人や財団法人などがありますが、ここでは株式会社についてお話しします。
株式会社を設立する際には、商号、事業目的、本店所在地、資本金、事業年度、機関設計などを考え、定款を作成し公証人の認証を得ます。その後、資本金の払込みや現物出資を行い、法務局へ登記申請を行います。会社の設立後、健康保険や厚生年金、労働基準監督署や公共職業安定所、税務署への手続を行います。
これらの手続の情報は、市販の書籍やインターネットからも得ることができますが、事業の目的や内容は会社ごとに大きく異なりますので、一度でも専門家に相談した方がより適切な機関設計や経営戦略についてアドバイスを受けることができます。また専門家は、助成金や補助金、節税や企業法務、マーケティングなど正確かつ豊富な知識も有していますから、積極的に活用なさってください。
起業する際の何点か気を付けなければならないことがあります。助成金や補助金の多くは雇用や事業の継続を条件に数か月後に受給できるものですから、起業開始前に現金でもらえる助成金等は多くはありませんのである程度自己資金が必要です。
また、給与所得者のように毎月決まった給与を受け取れるわけではなく、労働時間と収入は必ずしも比例しません。さらに会社から自動的に退職金や休業補償を受けられるわけではないので給与所得者より将来設計はきちんと行わなければなりません。当職としては給与所得者の少なくとも1,5倍から2倍以上の収入を得て老後に備えるよう顧客にアドバイスしています。
会社の経営は難しいですが、人とのつながりなど人生の生きがいに結びつくことは多いですから、「第二の人生」まで待たずに好機があれば積極的に起業されることをお勧めします。
07
2016